【撮影エピソード9】川船の愉しみ 「舟遊びみづは」さん

今回は作品にご出演いただいた「舟遊びみづは」さんのご紹介と2014年10月18日の撮影エピソードです。ちょっと観光気分になれる写真も多いので、ぜひご覧ください。(ネタバレは些細なものしかありません。)

「舟遊びみづは」の佐藤さんご夫妻(撮影:大西みつぐ)

目次

1.和モダンな小舟「舟遊びみづは」

2.お二人との出会い

3.撮影当日

4.主演が船舶免許を持っていた!

5.みづは、2020年春の休業と運航再開
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1.和モダンな小舟「舟遊びみづは」
「舟遊びみづは」は江戸に思いをはせながら舟遊びを楽しめる和モダン屋形船。代表の佐藤美穂さんは、江戸文化を伝える仕事がしたいという思いを膨らませ、小さな川船での起業を決意。会社員を辞めてクルーズ船の会社で修業を行いました。そして同じく会社員だった夫の勉さんも美穂さんと共に働く道を選択。2013年、12人乗りの新造の船、「みづは」が完成し、9月についに開業を迎えました。

オープンエアの座席はとても快適で、くつろぎながら風と光、景色を満喫できます。少人数での貸切に最適なだけでなく、乗合では江戸・東京を再発見できる川船ならではのコースを楽しめます。冬はこたつを設置して野鳥観察するプランもあり、年間を通じて遊び心と知的好奇心を刺激する企画が続きます。

飲食物の持ち込みが自由。もちろんトイレ完備で安心。従来の屋形船のイメージとは異なる新しさを提示し続け、これまでに幅広いファンを獲得してこられました。

舟遊びみづは公式サイト
https://www.funaasobi-mizuha.jp/

2.お二人との出会い

佐藤さんご夫妻との出会いは『小名木川物語』の撮影を始めてちょうど一年後の2014年春。当時映画製作はいろいろと練り直しの必要を感じ、少々スランプに陥っていました。

そんなとき、一筋の光明のように思えたのが佐藤さんとの出会いでした。

主人公の一人、紀子は「家族経営の船の仕事を手伝っている」という設定にしていましたが、ある案につまづいてから一年近く進展がないままとなっていました。

みづはさんは開業から半年余り経った頃で、SNSも積極的に活用されるようになっていました。確かSNSかネット検索を通じてプロデューサーの東海亮樹がみづはさんのことを知って問い合わせたのがきっかけです。折しもお花見シーズン。試乗を兼ねて乗合のお花見クルーズに筆者も参加することになりました。

素敵なご夫婦と素敵な船。そして小さな船からの目線で見える景色に新鮮な驚きがありました。みづはさんでの舟遊びにすっかり目覚め、これはもう、ご協力をお願いするしかないということに。

それからしばらくして、佐藤さんご夫妻がお仕事の合間に、私達が運営していた店「そら庵」を訪れてくださいました。楽しくおしゃべりしながら開業までのいきさつなどを改めて伺い、撮影をご快諾いただいたと記憶しています。

3.撮影当日

ようやく撮影が実現したのは、その年の10月中旬。
当日はとにかくお天気に恵まれました。長いモヤモヤ期間を吹き飛ばすような青空とまぶしい光。この日の晴天は、間違いなく本作製作において一、二を争うラッキーでした。

監督、大西みつぐとプロデューサー、東海亮樹(舟遊びみづは佐藤さん撮影)

写真は「みづは」が係留されていた江東区新砂の東京湾マリーナです。東西線南砂町駅から徒歩15分ほどでこんな別世界が広がっているんですね。

当日は大西監督が撮影も担当しました。また佐藤さんご夫妻には、主人公「紀子」の姉夫婦という設定で出演していただきました。

ロケ風景(スタッフ撮影)

乗船客を迎えるシーン。午前10時前後だったと思います。

エキストラには音楽監督の岡野勇仁さんがいました(写真右から2人目)。

エキストラのみなさん(スタッフ撮影)

そして出航。エキストラの方々が5人、そして筆者を含むスタッフと「紀子」役の伊宝田(いほだ)隆子さんの計6人が乗船。

東京湾マリーナ~砂町運河(夢の島の北側)~豊洲運河~隅田川~小名木川というルートを往復していただきました。

貯木場跡(スタッフ撮影)

写真は豊洲運河から隅田川に向かう途中、越中島付近の貯木場跡です。さらに進み、相生橋を通過するといよいよ隅田川。いくつか撮影を行いながら北上し、やがて小名木川の入口に差し掛かりました。後方に見えるのは小名木川西側の最初の橋、萬年橋です。

隅田川から小名木川へ。「紀子」役の伊宝田隆子(撮影:大西みつぐ)

隅田川は観光船など多くの舟が行き交い、ずっと賑やかでしたが小名木川は静寂そのもの。お花見シーズン以外はほとんど船が通りません。聞こえるのは船が進む音と鳥の声だけ。川沿いの遊歩道や橋は見慣れているはずなのに、異空間に入り込んだような感覚を味わいました。

小名木川の扇橋閘門。「紀子」役の伊宝田隆子(撮影:大西みつぐ)

そして小名木川の中ほどにあり、「東京のパナマ運河」と言われる扇橋閘門(こうもん)まで進みました。閘門とは、船の通過時に水位差を調整する特殊な水門です。小名木川の東側地域は地下水をくみ上げて地盤沈下したため、水害対策として強制的に水位を下げたのです。(面白いので、船上からぜひ体験してみてください!)

4.主演が船舶免許を持っていた!

そうなんです。主演の伊宝田隆子さんは一級小型船舶操縦士の免許を以前から持っていたのです!

その特技が、ようやくこの「みづは」さんでの撮影で生かされることになりました。

「紀子」役の伊宝田隆子(撮影;大西みつぐ)

隆子さんの雄姿!操縦を少し習ったらすぐに一人で運転できるようになりました。

隆子さんのお父様は奄美の徳之島の出身で、以前隆子さんが徳之島に滞在したときに集中講義を受けて免許を取得したそうです。運転する機会はめったにないけれど、免許を持っている人ができる臨時の仕事がいろいろあると話してくれました。

それにしても、みづはさんにはすっかりお世話になりました。お天気の良さもさることながら、みづはのお二人と知り合えたことが最大の幸運でした。

5.みづは、2020年春の休業と運航再開

2020年、新型コロナウイルスの影響で、みづはさんはお花見シーズン真っ最中の3月28日から約2カ月間休業を余儀なくされました。6月に入ってようやく運航を再開されたところです。現在はまだ貸切のみですが、7月下旬から週末中心に乗合便が復活するとのことです。

休業期間中、これまでに撮影された船上からの風景写真や動画をSNSに投稿されたり、前売券やギフト券「贈るみづは」を発売に。少人数でも60分で楽しめるプランなども新たに登場しています。大変な状況を前向きに乗り越えていこうとする心意気が伝わってきました。

みづはさんの屋外デッキなら、今の時期でも安心して楽しめることでしょう。
https://www.funaasobi-mizuha.jp/

清洲橋とみづは(筆者撮影)

先日は進水式から7周年を迎えられました。本当におめでとうございます!

隅田川沿いで、これまでに何度か偶然みづはを見かけ、手を振ったことがありました。この写真は2018年4月のものです。

今では数少なくなった、川を仕事場とするみづは佐藤さん。末永い運航をお祈りいたします。

【撮影エピソード9】川船の愉しみ 「舟遊びみづは」さん” への2件のフィードバック

  1. 小名木川の扇橋閘門,いいですね。乗合船で通れるのですか? 親しみある小名木川で船歩きしたいです。

    1. みづはさんの乗合便が本格的に再開されたら、扇橋閘門のコースも再び企画されると思います。みづはさんのウェブサイトに掲載されます。ぜひ船上から小名木川を味わっていただければと思います。

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